非適格ストックオプションについては、税制上権利行使時に給与所得として法人税法上認容されます。
しかし、役員部分についてはそもそも損金不算入(永久差異)のため、税効果会計・税率差異計算において、わかりにくくなります。
今回はそれらの詳細について、わかりやすく説明していきたいと思います。
目次
非適格ストックオプションの税効果・税率差異の調整について
前提
X1年度末 ストックオプション内訳
保有者 | 金額 |
従業員 | 100 |
役員 | 50 |
X2年度 ストックオプションの変動内訳
保有者 | 付与 | 行使 | 残高 |
従業員 | 30 | 40 | 90 |
役員 | 15 | 20 | 45 |
売上 1,000
株式報酬 45
税前利益 955
会計上
付与
株式報酬(従業員) 30 / SO(従業員) 30
株式報酬(役員) 15 / SO(役員) 15
権利行使
SO(従業員) 40 / 資本金他 40
SO(役員) 20 / 資本金他 20
税務上
別表四 | 期首 | 減算 | 加算 | 期末 |
株式報酬(従業員) | 100 | 40 | 30 | 90 |
株式報酬(役員) | 50 | 20 | 15 | 45 |
役員報酬損金不算入 | - | - | 20 | - |
税効果(法定実効税率30%とする)
繰延税金資産の対象は、株式報酬(従業員)のSOのみ。
(株式報酬(役員)は、減算と同時に役員報酬損金不算入額が立つため)
法人税等調整額 30 / 繰延税金資産 30
繰延税金資産 27 / 法人税等調整額 27
所得
税前利益 | 955 |
役員報酬損金不算入 | 20 |
株式報酬費用 | 45 |
株式報酬費用認容 | △60 |
税前利益 | 960 |
税額 288
税率差異
法定実効税率による税額 | 286.5 | |
役員報酬損金不算入 | 4.5 | ここは、当期役員に付与した額が来ます(15*30%) |
合計 | 291 |
法人税額 | 288 | |
法人税等調整額 | 3 | |
合計 | 291 |
非適格ストックオプション税率差異についての結論
税率差異は、役員に付与した金額となります。